About 研究室が目指すもの

これまで20年以上にわたって脳トレーニングに関する研究をしてきました。実験をして、そのデータを分析し、そして研究成果を世に公表するという作業の繰り返しです。研究者として、研究をし続けることはもちろん大切なことですが、最近になって自身の研究成果をもっと身近な方々に知ってもらいたいという思いが強くなってきました。重森脳トレーニング研究所は、そんな思いから立ち上げた地域の方々に貢献することを目的とした研究所です。
では、実際にどのようなことができるのかについて説明したいと思います。本研究所は、「脳を鍛える」ことを得意としています。

具体的には、次の3本柱で脳を鍛えます。

アセスメント:身体や脳の状態を検査、生活習慣や生活範囲を調査
トレーニング:体力や脳脳状態に適したトレーニングを処方
生活指導:生活習慣を見直し、管理する

脳トレーニングは世に数多く出回っていますが、筋力・体力・バランス能力などによってトレーニング内容は変わってきますし、脳のどの領域が低下しているのかがわかっていないと適切なトレーニングはできません。まずはメディアで「良い」と言われているものが、必ずしも誰にでも当てはまるわけではないということを知っていただきたいと思います。

本研究所では、自身の頭の中(脳血流)を見ながら、様々な機器を用いてトレーニングに取り組むことができます。一方で、柏原市の山や川を活用して、自然の中でトレーニングする気持ちよさも知っていただきたいと思っています。

脳血流を測定する機器
屋外でのトレーニング

認知症予防は早ければ早いほうが絶対良いです。体力が落ちてくる30歳代、40歳代から取り組むことが理想ですが、もちろん60歳代、70歳代の元気なうちから取り組むことも遅くはありません。とにかく元気なうちから鍛えておくことで、認知症になるリスクを随分と減らすことができます。

トレーニングの仕方が分からない方、脳の状態を診て欲しい方、自分一人では運動をする意欲がわかない方・・・など何でもよいので興味がある方はぜひご相談ください。

Collaboration 企業や行政との連携

株式会社オトバンク
前頭葉のトレーニングにはDual-Task(二重課題)が有効と言われていますが、何回もやり続けると慣れることで簡単にできてしまうようになり、トレーニング効果が半減してしまいます。
そのような課題を解決するために、豊富なコンテンツを所有するオトバンク社と連携して、オーディオブックを活用したDual-Taskの研究をしています。この研究成果は社会でも注目されており、林修先生の初耳学でも取り上げていただきました。
アルインコ株式会社
海馬のトレーニングには有酸素運動がおすすめですが、例えば膝が痛かったり、体力のないご高齢者にとって、有酸素運動を実施することは非常に難しいトレーニングといえます。我々は、アルインコ社と連携して、軽い運動でも効率よく心拍数を高めてくれるアイテムを開発しています。
柏原市
我々は大学の所在地である大阪府柏原市の「街づくり」にも健康の専門家として関わっています。例えば、定期的に体力測定会を開催し、認知症やフレイルの危険性が高い方に適切な運動を指導しています。また、柏原市と協力して、大和川河川空間や柏原市の山を利用した健康づくりにも取り組んでいます。将来的には、体力測定で認知症やフレイルの危険性が高いと判断された方たちが、気軽に川や山を利用してトレーニングをし、その結果健康寿命を延ばすことに貢献したいと考えています。